読み比べレモン

今日は、歌声喫茶に行った帰りに寄ったスーパーマーケットで、ギルバートオサリバンの「アローンアゲイン」が鳴っていたので、耳に心地良かったです。
歌喫では、お客様が女声だけのテーブルを選んで座って歌ってました。
すると、「男声が近くで歌ってくれてイイです。」と喜んでもらえました。
こちらも、音域が違う人が近くにいると、楽しくなります。



米津玄師さんのヒット曲で、若星Z☆でも練習している「Lemon」と、高村光太郎さんの智恵子抄から「レモン哀歌」を読み比べてみませんか?

「Lemon」 米津玄師
夢ならばどれほど よかったでしょう
未だにあなたのことを 夢にみる
忘れた物を取りに 帰るように
古びた思い出の 埃を払う

戻らない幸せが あることを
最後にあなたが 教えてくれた
言えずに隠してた 昏い過去も
あなたがいなきゃ 永遠に昏いまま

きっともうこれ以上 傷つくことなど
ありはしないとわかっている
あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ
そのすべてを愛してた あなたとともに
胸に残り離れない 苦いレモンの匂い
雨が降り止むまでは帰れない
今でもあなたはわたしの光

暗闇であなたの 背をなぞった
その輪郭を鮮明に 覚えている
受け止めきれないものと 出会うたび
溢れてやまないのは 涙だけ
何をしていたの 何を見ていたの
わたしの知らない横顔で

どこかであなたが今 わたしと同じ様な
涙にくれ 淋しさの中にいるなら
わたしのことなどどうか 忘れてください
そんなことを心から願うほどに
今でもあなたはわたしの光

自分が思うより
恋をしていたあなたに
あれから思うように
息ができない
あんなに側にいたのに
まるで嘘みたい
とても忘れられない
それだけが確か

あの日の悲しみさえ あの日の苦しみさえ
そのすべてを愛してた あなたとともに
胸に残り離れない 苦いレモンの匂い
雨が降り止むまでは帰れない
切り分けた果実の片方の様に
今でもあなたはわたしの光




「レモン哀歌」 高村光太郎

そんなにもあなたはレモンを待つてゐた
かなしく白くあかるい死の床で
わたしの手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱつとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉(のど)に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それからひと時
昔山巓(さんてん)でしたやうな深呼吸を一つして
あなたの機関はそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光るレモンを今日も置かう



どうでしょうか?どちらもレモンをモチーフに悲しみや祈りをデッサンしてるように思います。
一方は曲を前提とした詞で、もう一方は詩であるという違いはあるにせよ、共通のものが流れてるように感じます。
何もない空間を彫刻の様に削り取って形を作っていくような、という勝手なイメージ。

やす

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